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ズムウォルト級

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No.262 2016.4.13





米海軍最新鋭のミサイル駆逐艦「ズムウォルト級」一番艦が今年就役し、太平洋艦隊に配備される。
外観の異形はステルス性を高めた結果だが、これまでの軍艦のイメージとかけ離れ相当奇妙である。
斬新なのは外観ばかりではない。
船体を二重船殻構造としダメージ軽減を図っている。
このため駆逐艦としては大柄な15000トンという、前級(アーレイ・バーク)の二倍近い堂々たる体躯となった。
この艦は、ロールス・ロイス社製ガスタービンによる発電ですべてを動かすオール電化方式である。
つまり推進力をエンジンに依存しないため、極めて対潜静粛性が高い。
またこの大電力により、将来レーザー兵器などの運用を見込んでいる。
新型の155mm艦砲はロケット推進とGPS誘導により150キロの正確な射程を誇り、トマホークの代用として十分機能するとみられる。
この砲はステルス性向上のため、発砲時以外は砲身を収納することが可能だ。

これらの新機軸を盛り込んだ結果、ズムウォルトはお決まりのコストアップに見舞われる事となった。
建造費がなんとニミッツ級原子力空母に匹敵するものとなったのである。
空母の盾となる護衛駆逐艦が空母と同じ値段では困る。
ズムウォルト級は当初の建造計画30隻からどんどん縮小、最終的に3隻のみとなった。
この全三隻が太平洋艦隊に配属予定である。
それはもちろん中国の動向を睨んでの事だろう。
しかし三隻で生産終了というのは米海軍の場合失敗と同義でもある。
厄介払いでないことを願う。



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