Rust Belt が意味するもの

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No.570 2017.2.17





五大湖南側に存在した一大工業地帯が今、ラストベルト(Rust Belt / Rust は錆の意)と呼ばれている。
かつてアメリカでは、五大湖周辺にあった炭鉱・鉄工所・自動車工場などで働く白人ブルーカラーが、中産階級の中核を形成していた。
アメリカの製造業は60年代以降衰退し始め、以来50年以上が経過した。
五大湖地方にあった工場と雇用は中国へ、そしてマレーシア、ベトナムへ流れ、中産階級が崩壊した。
そんな彼ら、アメリカで最も大きな人口を持つ集団の怒りがトランプ大統領を産んだ。
トランプ大統領のアメリカファースト政策によって、流失した工場がラストベルトに帰って来る可能性はある。
しかしその工場はより近代的で自動化が進んだものとなり、だから彼らに大きな雇用をもたらす事はもうない。
グローバル企業が途上国に建てた工場とは、機械化された最新鋭の工場ではない。
惜しげもなくいつでも畳める、コストのかからない前近代的な工場に、大量に供給可能な安い労働力を動員してはじめて意味があったのだ。
低コストの生産設備と大量の安い労働力か、そうでなければ合理化された高コストの生産設備に少数のエリート管理者、このいずれかの組み合わせしかないのだ。
アメリカでは最早ブルーカラーは必要とされない。
そしてこの流れはアメリカだけでなく、すべての先進国において既に起きていることだ。
先進国でブルーカラーは生き残れない。
だが途上国なら大丈夫かといえば、必ずしもそうではない。
生産設備の合理化は、いずれ途上国においても不可避の流れとなる。
世界規模でブルーカラー不要の時代が来る。
農業はとっくに機械化されており、受け皿として限定的だ。
そこにAI革命が追い打ちをかける。
この世界で必要とされるのは、高学歴高スキルの一部エリートのみ。
つまり地球は必要とされない人間で溢れることになるだろう。










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