太平洋の試練 ②

20173121.jpg
No.593 2017.3.12





ミッドウェー海戦はアメリカにとって貴重な勝利となったが、本質的に太平洋戦争の結果を決定づけた訳ではない。
帝国海軍にとって四隻の空母と全艦載機の喪失が重大な打撃となった事、それにより多くの熟練パイロットを失った事は事実である。
しかしこの時点で熟練パイロットの四分の三が未だ健在だったことも事実なのだ。
だが日本には戦闘で必然的に消耗するパイロットを補充する意志も力も足りず、開戦時が戦力のピークでありその後は低下する一方だった。
新米パイロットが実戦配備されるまでの飛行時間が次第に短縮され、実弾射撃の経験がないまま戦地に送り出されるようにすらなっていった。
日本の残りの熟練パイロットに交代の望みは殆どなく、死ぬまで飛び続ける運命だった。
彼ら自身がそれをよく知っていた。
そしてアメリカはすべてがその逆だった。
時間の経過と共に戦力が充実していくことをアメリカは知っていた。
日本の戦時生産量が30年代の4倍に達していたのに対し、アメリカは25倍だった。
つまりアメリカはミッドウェイで勝つ必要は必ずしもなく、負けなければそれで良かったのだ。
日本にとってこの戦争を最善の形で終わらせる道は、早期にアメリカ海軍を叩いた後の講和だっただろう。
山本五十六はその賭けに出て負け、その後アメリカの領土に持続的な攻勢をかける戦力を二度と持てなかった。
ミッドウェー海戦は太平洋戦争が長い消耗戦になる事を確定した戦いだった。
まさに山本五十六がそうなってはならないと考えていた戦いに。











コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

BARONDEBOP

Author:BARONDEBOP
そうだ どこかへ行こう

Count Basie 2号
最新コメント
最新記事
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ