ブラック宅急便

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No.598 2017.3.17





いずれそうなるだろうと思って見ていたが、ヤマト運輸が運賃等見直しの検討に入っている。
同社は業界最大手(シェア約50%)だが、佐川や郵便と熾烈な競争を展開しており、その過程で様々なコストダウンを試みた筈である。
その結果一番シワ寄せがきた現場の元ドライバー二人が会社に対し、サービス残業代の支払いを求めて争っている。
「配らなければならない荷物が多すぎ、人が少なすぎる。」
一日の個数が平均180ほどだったと言う。
一時間に配達可能な数が15から20だといい、180個あれば最低9時間最大12時間かかることになる。
昼飯を食べる時間などなく、朝7時50分に仕事を始め配送センターに戻るのは夜10時を過ぎることが多かったという。
このままではいつか死ぬと思って辞め、会社を相手取ってこれまでのサービス残業代(未払い賃金)の支払いを要求した。
当然会社側でもこうした実態を把握していて、この問題を解決するには運賃等の見直しが必要との認識を持っているということだ。
会社の好調をドライバーのサービス残業が支えていたのだ。
現在5万人以上いる全てのドライバーのサービス残業を支払う方向で調査が進められているが、仮にその結果が一人100万円となれば、今期の営業利益が全部吹っ飛ぶという。
そして今後サービス残業なしでやっていけるのか?という話に当然なるだろう。
昼休みを一時間取るなら、一日の適正配達数は130個が上限だという。
見直しにより人を増やせるなら、それも可能となるかもしれない。
これらは当事者自らが解決していくよりない話だ。
ただ彼らの話の中で「再配達」の問題だけは、当事者の努力や英知でどうにかなる問題ではないと思った。
現場のドライバーは再配達に苦しんでいるのだ。
午前中に入れた不在伝票に、ネットで午後の再配達を指定されるとする。
例えば車を泊められないような路地裏に配達する場合がある。
雨や雪だって降っているかもしれない。
離れた所に停め、坂を上って階段を上がってやっとたどり着く時もあるだろう。
配達先はエレベーターのないマンションの5階かもしれない。
「それでまた不在だとほんとショックです」
その荷物がワイン2ダースでも、彼らは来た道を荷物と共に引き返すのである。
しかもこれは二度目なのだ。
地獄の再配達千本ノックと囁かれる過酷な現実がある。
「自分で再配達の時間入れておいて、なんで居ないの?」
雨の中車に戻り、荷物を戻し、車を出す。
その直後に携帯が鳴り、今帰ったのでもう一回来てくれと言われることもあるという。













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